■ future jazz elemental ■  
フューチャージャズとはなんぞや?ということについて、ジャズ側からのアプローチとクラブ側からのアプローチはどうやら違うのではないかという気がしましたので、peace of mindの考えるフューチャージャズとは、みたいなセレクションをしてみます。
とりあえずここには10〜20枚くらい、これは!!みたいなものをあげておきますけど、他にも色々ありそうではあるので、また見つけたらpart2なんぞやってみますね。
(09/02/2001)
The Cinematic Orchestra / Motion
1999 Ninja Tune
フューチャージャズというのをアンビエント〜エレクトロニカから捉える場合に、Ian O'Brien、Jamie Odell(Jimpster、Audiomontage)と一緒に必ず名前があがってくるのがこのアルバムでしょうね。
エフェクトはバリバリにエレクトロニカのそれ、曲の組み立て方もエレクトロニカやブレイクビーツの組み立て方なんだけど、使用される楽器はナマオト楽器で、これがまた絶妙なバランスになっているというところがスゴイです。逆にいうとジャズのコンボでアブストラクト〜エレクトロニカをやってしまおうという感じ。
試聴できるならばOde To The Big Sea、Diabolusあたりを。
関連してRemixesも出ていて、こちらはよりエレクトロニカ寄りですが、よいデキです。
P'taah / Compressed Light
1999 Ubiquity Records
WamdueやAnanda ProjectのChris Brannの別名義によるジャジィでディープなエレクトロニカのアルバムですが、スピリチュアルな色彩が強く、アルバム全体の構成というかバランスは非常によくできていると思います。キャッチィでフロア映えしそうな名曲Flyin' Highがやはり最高にカッコイイのですが、その前後のディープなアンビエントやエレクトロニックなジャズなど、聴けるなあという感じ。
また、このアルバムにはブレイクビーツを主体としたリミックス集のDe'compressedが出ていて、これまたブレイクビーツ〜ブロークンビーツ系に高水準のデキになってます。

Jazzanova / Jazzanova EP
1998 Compost/JCR
Extended Spirit / Solid Water
1999 Sonar Kollektiv
Jazzanovaというとリミックスワークも含めてフロア寄りなオトが多くて、それはそれで完成度が高いワケですが、個人的にはココに上げたこの2枚(EPの方は特にIntrospectionという曲)の透明感に惹き込まれますなー。ラウンジ用とかそういうことでよいのだろうけども、このスピリチュアリティはジャズの魂だと感じたのでした。
あと、ジャジィなJazzanovaということであればBossa Tres... Jazzのリミックスなんかに入っているTres Bienというピアノがフィーチュアされた曲もヨイです。

Extended Spiritについて誤解のないように書いておくと、JazzanovaはJazzanova DJ Team(Jurgen von Knoblauch、 Alexander Barck、Claas Brieler)とExtended Spirit(Stefan Leisering、Axel Reinemer)とKosma(Roskoe Kretschmann)から成り立ってるので、Extended SpiritはほぼJazzanova扱いでよいように思われます。Pathlessもそうですかね。

Herbert / Bodily Functions
2001 !K7
今年出たオトではShur-i-kanと並びもっとも高品質のフューチャージャズ。フロア向け、あるいはラウンジ向けというよりも、リスニング向けと思います。
ここで聴けるオトはシンプルかつストイック、あるイミではスピリチュアルなフォークを聴いているような感じすらあります。今までのフューチャージャズとの違い(?)をあげるならば、Herbertお得意のハウスをかなり意識していること、聴かせるウタをフィーチュアしていること、なんてあたりでしょうか。

Frederic Galliano / Espaces Baroques
1998 F Communications
Frederic Galliano / Live Infinis
1999 F Communications
ワタクシメがフューチャージャズを想う時、インプロヴィゼイション主体のオトとして真っ先に思い浮かぶのがこの2枚。アフロなハウスを軸にしつつも、サックス、ヴァイブ、シンセでしっかりフリージャズ寄りのインプロヴィゼイションを聴かせてくれます。Espaces Baroquesを最初に見た時はこのジャケってImpulse!へのオマージュか?!とか、最初の出だしを聴いた時はPharoah Sandersへのオマージュか?!とか思ったりもしましたが、いずれにせよ極めて高いデキであることは間違いないでしょう。
コレ以外にもFrikiwaというアフリカンのリミックスプロジェクト(I.G. Cultureも参加!)や、The Irresistible ForceやA Reminiscent DriveやAirto Moreiraのリミックスでもヨイ仕事をしてます。いずれもジャジィに水準高いと思われます。

今まで聴いたことがなくて、試聴する機会があるなら、Espaces BaroquesならPlis Infinis No1、Plis Infinis No2、Plis Infinis No4を、Live InfinisならSans Titre No4を是非聴いてみてください。



VA / Freezone 6
1999 SSR/Crammed
VA / Freezone 5
1998 SSR/Crammed
VA / Freezone 4
1997 SSR/Crammed
Freezoneというコンピは、あまたあるコンピとは違っていて、極めて指向性のハッキリしたコンピというか、エレクトロニカ〜フューチャージャズで『次に何がくるか?』を明確に示してくれるコンピとして認識してます。
このコンピをコンパイルしているDJ Morpheusはそのイミでは重要な位置付けにあるのかも?なんて思ってしまいますね。このコンピでしか聴けない曲もかなりありますが、これもDJ Morpheusの力なのでしょうか。

#4はドラムンな感じが多いのですが、97年はちょうどドラムン→ブレイクビーツという流れの中でジャジィなものが多く生まれてきてフューチャージャズの雛型みたいなものが出てきたタイミングだし、同じように#5はエレクトロニカ〜アンビエントとジャズの融合を強く感じさせる曲が多数入っていて、同じような雰囲気の傑作アルバムが同じタイミングまたはその直後に多くリリースされているし、#6もその延長線上でありながらもコズミックファンクを感じさせる曲が多く入っています。

Jimpster / Messages From The Hub
1999 Freerange Records
Jamie Odellの傑作アルバム。アンビエントの透明感とジャズもしくはフュージョンとをうまく結びつけた、アルバム全体としての完成度の高い1枚。総じての印象は浮遊するシンセとドラムンベースを経てきた変則リズムとがからみあってるといったところですが、特にMaiden Voyage(Herbie Hancock)の美しさが群を抜いて印象深いです。こんなに美しくこの曲を演った例は他にはないかなと思ったり。
Ian O'Brien / Gigantic Days
1999 Peace Frog Recordings
コズミックさにかけてはコレ以上はないだろうというフューチャージャズ。分厚いシンセでディープにダビィにスペイシィにというオトですが、ファンクくささもあり、一概にテクノとは割りきれないところがミソですかね。インプロヴィゼイションが目立たないのが残念ですが、JimpsterやShur-i-kanあたりと並んでテクノとジャズの融合という方向性にひとつの道筋をつけているアルバムだと思います。
併せてAbstract Funk Theory vol.1とカウボーイ・ビバップのサントラとを聴くのも一興。
Shur-i-kan / Advance
2001 Freerange Records
2001年のこれまでで最もデキのよいエレクトロニカ〜フューチャージャズのアルバム。
何度も紹介しているので詳細は書きませんが、Jamie OdellやTom Middletonといった極めて耽美的なアンビエント系のオトを出してくるひとたちとの交流という事実から想像のつくオトですね。とにかくドラマティックで美しいオトです。
Chateau Flight / Puzzle
2000 Versatile Records
Ian O'Brien、Shur-i-kanと同じ系統ともいえそうなコズミックでファンキィなフューチャージャズ。コレはビートもエフェクトもひねりすぎていなくて、音の数も少なく聴きやすいですね。そのイミではExtended Spiritとも通ずる部分もあり、ど真ん中なオトといえそうです。
ただし、インプロヴィゼイションは少なめなので、そこら辺に欲求不満を残しそうではありますね。
Beanfiled / Human Patterns
1999 Compost Records
ファンクっぽさとインプロヴィゼイションとエレクトロニカ風味とが見事に調和している傑作アルバム。フリージャズっぽいインプロヴィゼイションとスピリチュアリティが表に出ているCinematic OrchやFrederic Galliano、アンビエント〜エレクトロニカ系のアプローチのJimpster、Ian O'Brien、Shur-i-kan、Chateau Flightとのギャップを埋めている位置にある感じ。P'taahなんかもそういう位置なのだろうけど、P'taahがよりスピリチュアルなのに対して、こちらはファンクっぽさを入れているのが特徴かなと思います。
同じくCompostのKarma、Syrup、Les Gammasも同じようなアプローチだけど、このアルバムのバランスが一番よいように思います。
Innerzone Orchestra / Programmed
1999 e-planet/Talkin' Loud
テクノとジャズを有機的に結びつけた中では一番最初に高い完成度を見せたアルバムといってもよいでしょう。テクノ界の大御所、Carl CraigにパーカッショニストのFrancisco Mora(ソロアルバムのWorld Trade Musicではストレートなジャズやってますね)、Lester BowieやThe Art Ensemble Of Chicagoなどと競演していたCarl Tabornといった組み合わせからしてオトは想像つくかも、というところですが、ジャジィなビートの上にテクノを展開していきながらもナマオトを意識しているオトです。
People Make The World Go Round、At Les、Bug In The Bass Binなど名曲多数。

その他のこの辺のオトのオススメとしては・・・
■Flanger / Midnight Sound
■The Irresistible Force / Fish Dances
■Clifford Gilberto / I Was Young And I Needed The Money
■Karma / Thrillseekers
■A Forest Mighty Black / Mellowdramtic Remix
■As One / Planetary Folklore (実は持っていないので買いたい・・・)
■Squarepusher / Music Is Rotted One Note
■4 Hero / Two Pages
■dZihan & Kamien / Freaks & Icons
■Spacetime Continuumの各作品
■Akasha / Cinematique Remixed
■Bill Laswell / Dub Chambersほか
■Amon Tobin / Supermodified
ああ、まだまだあるなあ・・・